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熊野 天空と水を巡る旅 第2回 天空の里

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紀伊半島の旅第2回は1日目後半の模様をお送りします。

自宅の大阪から電車で6時間かけて移動して三重県熊野市にたどり着き、やっとこさ自転車の旅が始まりました。


***


さて、いよいよ本格的に山へと向かって走り出す、気合いを入れてイカネバの娘。

国道42号線から今回のメインルート国道311号線にシフトイン。

するとしばらくして目の前の光景に僕は少しひるんでしまった。

向こうには高々とそびえる紀伊の山なみ。俺は今からあんなところに挑もうとしているのか・・・。

坂がキツイことは予想済みであるが、なんとかなるさーと楽観的に考えていたのも事実。目の前の壁といざ向かい合い「なめてたね。」と心の中でつぶやいた。

そして、さあきましたよ坂道。おっとこれがけっこうな勾配だー。暑さもあってしんどさ2倍3倍。不安と後悔が頭をよぎる。でも、もう何度もこうやって苦しむ度に軽く後悔してるのに、いっつもそんなことすっかり忘れてまた旅に出るんやからしょうがない。根っからの自転車好きなんだと思う。

しばらく登ったところに土建屋?っぽい感じの会社の前に自販機があったので水のボトルを購入、この先自販機なんて貴重な存在になるかもしれないから水分はしっかり確保しておかねばならない。

自転車を降りると体がヒートアップしていてクラっとしそうになる。熱中症対策としてこの時思いついたのが、手ぬぐいに少し多めに水を含ませて顔を拭いてやる、すると気化熱で少し涼しい気分になる。さらにその濡れた手ぬぐいをスカーフみたいに首に巻きつけるとこれがかなり良い効果を発揮した。これはツーリングでなくても普段でも使える熱中症対策にもなると思うので是非やってみてください。

暑い中再び走り出すと、さっき海辺でも通りかかったキャンプ道具を積んだバイクの4人組が僕を抜いていった。

彼らから特にライダーピースをされることはなかった。ライダーピースとはツーリングする者同士がすれ違う時に、お互い手を掲げ、仲間意識を分かち合うものであり、北海道でツーリングするなら当たり前のことだけど、本州になるとそういう機会は少なくなる。やはり北海道はライダーや旅人にとって特別な空気があることは言うまでもない。しかし本州であれど、そんな素敵な旅人の習慣が少ないのは少し寂しい気もする、まあこっちも手をかかげたわけでないのだけど(チャリダー相手ならだいたい挨拶しますけどね。)

そんなことを考えながら進んでいくと、むこうにリュックをしょった若者が2名。しかもコチラに気付いた若者達は手を振ってくる。おおお!旅人や!!

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わたし「おおお~なに?なに?ヒッチハイク?」

旅人達「イヤーヒッチハイク、ナンターラカンターラ」

おおお!日本語ちゃうがな!笑 ここでまさかの異国人!!

韓国の方達みたいですね。お互いの国の言葉は分からないので適当な英語でなんとなく会話。

これからどこ行くの?と聞くと、

「ノープラン!ヒッチハイクで停まってくれた運転手の目的地まで乗せてってもらう。」

だそうだ笑 

日本には数日滞在予定だそう。日本一周中も韓国人で自転車日本一周してる子に2人ほど会ったな。

彼らは僕の自転車の年季の入りまくっている(ってゆうかメンテナンスを怠ってる・・・)革サドルと、オリンパスのカメラ・OM-1にとても興味深々だった。

まあお互いこんなど田舎で旅人に出会うとは思ってもなかったから、話はすこぶる弾んで楽しい時間を過ごした。

彼らに見送られて再び出発。日本の旅を楽しんで!

道沿いにはちょくちょく野菜の無人販売所の小さな小屋や屋台のようなものが並んでいる。

そうだキャンプで使う野菜を買っておくのもイイな、と自転車を停めて見行くと、地元のおばあちゃんに出会って少し立ち話。

缶にお金を入れてピーマンの袋を買うと、

「ボンタンいるか?」とおばあちゃん。もちろん「いただきます!」

「ひとふくろじゃ多いか?」

「んん~そやね1コで十分やわ笑」

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はあ・・・エエなエエな、やっぱり旅ってエエよね。今回はのっけから出会いが充実してるぞー。

おばあちゃんありがとう。また自転車をこぎだす。

上りは少し落ち着き、辺りには田園風景が広がる。

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散歩している地元のおばちゃんから、

「暑いけど頑張れよー!」と声がかかる。

「あいよー!」とこちらも返す。

しばらく走るとついに「丸山千枚田 右折」の看板が。今回のメイン目的地の一つである。

右折して県道に入ると再び上り坂。勾配はさほどきつくなく、木陰の中の道は先ほどよりもずっと快適であった。

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その道をさらに進むと、左の林の切れ目からは待ち望んでいた風景がチラっと見えた気がした。

しかしまだ見ない。その時その場所が来るまで今は前を見て進むのだ。

道は突然横がふくれあがり、車が2台ほど停めれるスペースが、そうそこは棚田を見晴らす展望所になっているのであろう。

ついに来たぜ、どれどれ・・・。ぅおおお、これは!

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両手を挙げてこのすごさをかみしめたいところだが、車で来ていた夫婦がいたので一旦自粛。

その夫婦がやがて車で出発したのを見計らってから、

おおおーーーー!!!すごいよーーーーコレーーーー!!!!!

っと改めて感動を再確認。さすがに他の人がいる前では叫べない笑

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写真やテレビでもそのすごさに驚いたものだが、目の前にすると改めて感動した。

さてと、本来の予定ならここから30km近くさらに進んで川湯温泉のキャンプ場に行くのですが、時間的にはあと1時間もしないうちにここを出ないと川湯到着前に暗くなってしまう。

しかしこの景色を見るために今回のコース設定をしたといっても過言ではなく、もっとこの景色を堪能したかった。タイミング良くここにもキャンプ場があるそうなのだ。ただし4年前の地図のキャンプ場マークを見ただけで、実際やってるのか、値段などは一切知らない。

まあまだ日は高いし、なんとかやりようあるっぺ。キャンプ場を目指しながら棚田の中のぐねぐね道をゆっくり下っていく。

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途中、屋根付きのベンチがあって、もうここで寝てしまえそうだなと思いつつ、キャンプ場というそばにちゃんと寝るところがあるならそっちに行くのがマナーってもんでしょう、ここじゃ火も使えないし。

民家の軒先でおばあちゃん2人が話していたのを見つけて、この辺りに商店といった食料の売っている店はないか聞いてみたが、

「ありゃー、この辺はなにもないよー。板屋って集落まで行ったらあるだろうけど、自転車じゃちょっと距離あるよー。」

だそう、マジか。1軒くらい商店あるだろと思ったのだが。

下にレストランのような場所があった。ここで晩飯分までまとめ食いするか、それとも食料を少し売ってもらうか・・・。

しかしレストランも営業している気配はない。一応すぐに食べれるものとしては菓子パンと梅干おにぎりなら持ってる。あとはさっきのピーマンとボンタンと家から持ってきた粉末のうどんダシ。

っく!食料を現地調達しようと思ったのが間違いだった。せめて乾麺やインスタント食品、缶詰とかを持ってくれば良かったのになぜ思いつかなかったのだろうと、準備の無さを今頃なげく。

とりあえずキャンプ場は・・・っと。

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棚田を完全に下りきり、林に囲まれた静かな場所にキャンプ場はあった。平日とあってキャンパーは誰もいない。川のせせらぎとヒグラシの声だけが聴こえてくる。

「ははーん、めっちゃエエ雰囲気やな・・・。」

エエとこなんですけど、静かすぎて一人では少しこわくもあった。

キャンプ場の管理棟にも誰もいなかった。「お急ぎの方は・・・」と張り紙にある番号に電話をかける。

これでつながらなかったらさっきの東屋で野宿やな。

すると電話がつながった。

「もしもし?え?一人でキャンプですか?うーん今日予約が無かったから外出してしまったけど・・・夜9時くらいになったら戻れるからテント張って待っててくれませんか?」

ということ。なんか悪いことしたなー。オレ一人分の宿泊費なんて儲けにもならないだろうに面倒をかけちゃったかな。

といいつつ、電話のついでに「スイマセンけど、なんか食料も売ってもらえないでしょうか」と頼んだ僕は図々しいバカ野郎です笑

とりあえず寝床と食料も確保(?)したことだし、夕日見に行くかな。

さっき下ってきた道を行き切らしながら上って振り返ると、こんな空が待っていてくれた。

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空が広い、まずそう思った。空に手が届きそうで、また無限に遠くも感じる。ここはそんな場所。

心静かに暮れゆく空を眺めてまたキャンプ場へ。

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空がゆっくりと闇を連れてやってきた。キャンプ場の片隅にそっとテントを張る。

自炊道具についてだが、ガス缶はどうやら電車には持ち込めないらしいので、今回は折りたたみの焚き火台を持ってきて、その火で料理しようという考え。面倒やからガスコンロ使いたいんやけどね。

まだ明るさがあるうちに林で薪用の枝を拾う。今日は風呂にも入れないので手ぬぐいをしぼって体を拭いた。

管理人さんが来るまでやることもないので、テントの中に入る。小さな囲いの中に入るとさきほどの心細さがいくばくか消えて、少し安心感を覚えた。テントって不思議だ。

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夜中の9時をまわった。管理人さんはまだ来ない。

お腹が減ったので手持ちのパンとおにぎりを食べてしまった。横になると睡魔が襲ってきた。考えたら2時間しか寝てないもんな、加えてこの濃い1日・・・。いやいや、来てくださるはずだ。がんばって起きておこう。

するとしばらくして車の音がした。あー良かった。

管理棟に向かうと管理人のご夫婦がおられた。遅くなってゴメンねーと言われたが、いえいえコチラも突然の来訪で申し訳ない。優しいご夫婦だった。

さっき食料を頼んだ時「カップラーメンとかなら買ってくるけど・・・」と話していたが、いただいたのはすでに出来上がったお弁当であった。

お金は?と聞くと、サービスだ。とのこと。本当に下がった頭が上がりません。同時に用意の悪いかったことに恥じらいも感じる。

管理棟で宿泊代を支払い、ビールも1本買わせてもらった。

「おやすみなさい。」と言って自分のテントに戻る。

テントの中で食べた弁当は本当に美味しかった。そしてこのビールよ。こんな美味いビールがこの世にあるのか。五臓六腑に染み渡った。

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キャンプ場には明かりがつき、管理人さんたちと会話できたことで、さっきまでの心細さはほとんど無くなった。

歯を磨くために外に出ると、空には文字通りの「黄金の月」が輝いていた。僕はフと「ムーンリヴァー」を口ずさむ。

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心は満ち足りていた、今日の日に感謝、明日も楽しみだ。


***


長い日記でスイマセン。

次回も長いです笑
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Comment

バリカン

↓車内で眠りこける人たちを見てからこちらを見ますと、
そのギャップに感慨もまたひとしお、ということを発見♪(爆
失礼を承知で言えば、爽快痛快な笑いがこみ上げてきます。
距離や日数に関係なく、家を出たその瞬間から非日常に身を置ける、
旅の面白さがめっさ出てますやん!

良いとこで夜を迎えられたんですね、川湯よか激しく良いと思います、
お風呂無いけど・・・(笑。
で、確かにテントってほんま不思議ですね。
あんな薄っぺらい布一枚なのに・・・(^^。

あ、参考までに、アスペクト比が若干横長なんはフィルムですか?

アマガエル

バリカンさん

現実から非日常への切り替えの早さは達人の域と定評があります、嘘です笑

自転車が無ければもうちょっと電車で寝れてたんですけどねえ。睡眠は大事です^^;

この翌日に川湯に立ち寄るんですけど、キャンプ場がチラっと見えてキレイそうだったのでこっちでも寝てみたかったなーと思います。キャンプ場のそばに温泉なんて魅力的ですよねえ。

ま、日本一周中は1週間くらい風呂入ってない時ありましたけどね汗
さすがに夏ではなく春の話ですが笑

アマガエル

バリカンさん

スイマセン、アスペクト比に関してですが、35mmのフィルムをスキャンしたので横長になっております(^^)
  • URL
  • 2013/08/01 17:24
  • Edit

~ヒデアキ~

にゃんこが居るので旅行には行かず、一晩部屋を空けることすら
滅多にない僕なので、今回も自分が旅をしている気分で、拝見させて頂きました。

色んな出会いもあったようで、韓国の若者が日本に好意を持って旅をしているのも
嬉しいし、地元のおばあちゃんやキャンプ場の管理人さんの優しさが、旅を素晴らしいものにしてくれるんでしょうね。
気になるのは、イカネバの娘、または紀伊半島の娘との出会いです^^

紀伊山地を見渡す景色も美しいですが、遠く広がる空はまさに天空ですね。

キャンプでの一晩はゆっくり、安心して休めた様子で良かったです。
お弁当とビールは最高だったでしょう。
そして美しい月、、感動です。

次は是非、川湯温泉で月を眺めながらの露天風呂を楽しんでくださいね。

次回もまた、ゆっくり拝見させていただきます。
  • URL
  • 2013/08/04 23:53

アマガエル♪

ヒデアキさん

日本にはゲストハウスという共同部屋が多い安宿があるのですが、そういったところではよく外国の旅人の方も多いので仲良くなることがあります。けっこうみんな電車を乗り継いで日本縦断みたいな感じで幅広く旅行してはる人が多いですね、自転車やヒッチハイカーの旅人ともよく会いました。

外国、ヨーロッパなんかはテレビの映像を見ていると、建物の色やかたちなど統制されていることが多いですが、日本の都会はどこも一緒のコンクリに囲まれた町という感じです。でも田舎に行けばまだまだ日本らしい家屋や農村風景がたくさん残っていて、この前あった韓国の子達みたいに都会だけでなく日本の田舎を旅してくれていることは本当に嬉しいなと思います。

キャンプは安心感はあったものの、暑くて寝心地はそこまでよくなかったですね^^;

おっイカネバに反応してくれましたか、おそらくうちの読者ではヒデアキさんくらいかと思います笑

この後、白浜という海辺の町に向かうのですが、果たして「シラハマの娘」には会えたのかどうかー!?ってなんだそりゃ笑

まりこうた

なかなかの時間差のコメント。。すみませんです。^^;

アマガエルさんの旅日記は、ささーっと読み飛ばせず、じっくり写真と文字を見つめながら、わたしも一緒にどきどきしたりわくわくしたりしなくちゃいけないので。。、
なかなか時間がかかります。(笑)

ほんとに素敵なたびですね。
そして、ほんとにすてきな出会いです。
気持ちのいい心には、気持ちのいいなにかが付いてくるのだなぁ。。と、あらためて感じます。

あぁあのビール。。ほんっとーうに、おいしかったのでしょうね。^^
そしてちょっと気になったのは、ピーマン、どうやって食べたのかなぁ。。(笑)

また次もゆっくりと、アマガエルさんの旅をおすそわけしてもらいます。♪

*まりこうた*

アマガエル♪

まりこうたさん

こんにちは。丁寧に読んで下さって誠に感謝です!その時感じた心情とか、いちいち書いちゃうもんで、つい長くなってしまいます。でも普段日常では感じないことを考えるキッカケをくれるのが旅の魅力の一つであるから、感じたことで面白いと思ったことは忘れないように心の中で復唱したり、メモにとったりしています。

まあうっとおしくない程度に簡潔にまとめたいとは思ってるんですけど・・・(それはどうかな?笑)

ピーマンは結局旅の間使うことはなく、ずっとカバンの中に入れてて、帰ってから出すと軽く匂ったので、大丈夫かな?と思いましたが、洗ったら問題なく使えました。チャーハンに野菜炒めにスパゲティと幅広く活躍していただきました♪

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プロフィール

アマガエル♪

Author:アマガエル♪
自転車に乗って、旅して、撮る。

自称「自転車カメラニスト」のアマガエルです。

旅と日常を写真と、時々文章とともに綴ります。

◎カメラ
・OLYMPUS OM-1
・OLYMPUS E-5
・OLYMPUS E-620
・FUJIFILM NATURA NS
・VOIGTLANDER BESSA R2A
・SEAGULL 4A-107

◎自転車
・ARAYA RANDONNEUR RAN
・DAHON BOARDWALK

ご意見や、撮らせていただいた写真のデータちょうだいとかございましたらメールください。
goldhill_mino@yahoo.co.jp

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