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6月1日260日目 「遠くに来ていた。」島根県・出雲の手前あたり―松江

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九州を出て、夏の北海道に向けて日本海側を北上していた。その日は出雲を午後4時に出発して40km先の松江を目指した。僕の自転車はスピードメーターはついてないけど、急がず、遅すぎずのペースでだいたい時速20kmくらいで走っているらしい。今回はアップダウンはほとんどない。信号待ちや途中の小休止も考慮して、40kmという距離は3時間を見ておけば着くはずだ。40kmを午後4時から走るのは遅い出発だけど、夏至も近くて日も長いから平地だとそんなに暗くはならないだろう、多分。僕は走るだけの日でも1日60kmくらいしか走らない。その日のゴール地点も決めず、夕方、寝れそうな所があれば走りを終えるというスタンスだ。この日なぜ少し頑張ってでも松江に着くことにこだわっていたのは少し理由があった。

3年前くらいに電車で5日間の一人旅をした時、松江にも立ち寄った。街自体に情緒があって街を見るのも目的だったが、何より楽しみだったのが宍道湖で見る夕日だった。宍道湖の夕日はとても美しいと、どこかで聞いて楽しみにしていた。松江に着いた1日目は水平線の上に雲がかかりあまり見えなかった。2日目も同じく、やはり雲でキレイな夕暮れをのぞめなかった。諦めきれなかった僕は予定を変えて3日目の夕暮れチャンスにのぞんだ。そしてついに宍道湖は僕に微笑んだ。日が沈んでも僕はしばらく夕暮れの残照が湖を優しく染めているのを心静かに眺めていた。

そんな思い出があって、今回も同じ場所で夕暮れを見れたらイイなと。しかしこのところ毎日向かい風。自転車の旅はしょっちゅう風に一喜一鬱させられる。この日も東に進む僕を西向きの風が邪魔をした。僕はゆっくりと宍道湖沿いを東へと走った。

そして僕は松江にたどり着いた。疲れて宍道湖のほとりの芝生に寝転んだ。夕日はもうすでに沈んでいた。その時、風はなく、さざ波すらない静かな湖面は夕暮れの残照を優しく映していた。水平線と空の境目が溶けて、どこまでも続いているように見えた。僕はフと思った。「遠くにきている。」旅が日常化していたので最近はそんなことも思わなかったが、ここにきて久々に感じた感覚だった、宍道湖がそれを僕に思い出させてくれ、なんだか嬉しくなった。3年前より宍道湖と仲良くなれた気がする。今思ったことだけど、松江を故郷に持つ人は、帰省してこの湖を見て「故郷に帰ってきた。」と、ほっと胸をなでおろすんじゃないかと想像した。あ、なんかオレ火野正平みたい(笑)

山口ー青森 (12)
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Sinn

宍道湖ですか、
シンプルでいい写真ですね♪

自転車の旅、いいですね^^

アマガエル♪

ちょっと単純な構図ですが、まあ感動のままにシャッターを切ったってことで^^;

自転車旅面白いですよ~。風の心地がちょうど良くて、遅すぎず早すぎずのペースで、走っている土地の匂いが敏感に感じられる気がします。
  • URL
  • 2012/01/18 10:04
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プロフィール

アマガエル♪

Author:アマガエル♪
自転車に乗って、旅して、撮る。

自称「自転車カメラニスト」のアマガエルです。

旅と日常を写真と、時々文章とともに綴ります。

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・VOIGTLANDER BESSA R2A
・SEAGULL 4A-107

◎自転車
・ARAYA RANDONNEUR RAN
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