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9月9日360日目「おそらくこの旅最大のピンチ」道東地方のとある場所

北海道 (68)


「ヤバイ。この状況は絶対ヤバイ。」

何が起こったのか?


屈斜路湖を離れた僕と英ちゃんは東の摩周湖に向かった。摩周湖といえば「霧の摩周湖」と言われるくらい、よく霧が発生して湖面が白くなって見えないことが多い。「霧の~」を見るのもある意味オツかもしれないが、やはり晴れ渡ったピーカンの湖面を見たいというのが人情だろう。霧のない晴れた日の摩周湖、それは青くて美しいとどこかで聞いた。オホーツク海沿いを走っていた時は曇りや雨の日が多かったが、昨日からは天気も回復して今日に関しては快晴に近い良い天気。もしかしたらという希望がわき、僕たちのワクワクは最高潮に達していた。

屈斜路湖と摩周湖の間にある川湯温泉で、午前中だというのにこの日3回目の温泉に入ることにした。共同浴場(250円)、酸性が強めの温泉、旅先で色々温泉に入ったけど、なかなかここもイイ湯でした。地元のオッチャンがいらして、今日の天気なら湖見えんじゃねえかと太鼓判をいただいた、よっしゃ。

そしていざ摩周湖へ。湖へはガッツリ登り、しかもけっこう長い。ゼーハー言いながらも、ついに摩周湖へ到着!!湖のよく見える展望台へゆるい階段を登る。すでに横には湖が見えるはずだが、あえてまだ見ない。ショートケーキのイチゴは最後にとっておくもんよ。

その場所へ来た。ゆっくりと湖を見てみる。すると・・・

おお・・・おおおおおおおお!!!!!

北海道 (64)


きたーーー!!!摩周湖ブルー!!!なんちゅー青さ!!なんちゅー美しさ!!
この時の喜びといったら高校2年生の時に初めて行ったジェームス・ブラウンのライブに匹敵するほど。(よく分からんし笑)頑張って自転車こいできたから喜びも数倍増しです。

さて、ここで英ちゃんと別れることになった。彼は知床へ、僕は内陸部を通って根室方面へ向かう。彼は東京に住んでいるので、また会うことにした。ガッツリと握手を交わし、それぞれの道へ。3日ほど行動を共にしたが、一人になった時は少し寂しかった。一人旅が好きだけど、感動を共有できる人がいるというのもとてもイイもんだ。

僕はこの日、目指している場所があった。そこは丘の上にある展望台で、その展望台付近にキャンプ場があり、そこから見る星空が最高だと、旅の途中でもらった数年前の北海道のツーリング本に書いてあったのだ。(※ちなみに現在キャンプ場ありませんので!!あとから出てきますが。)

その場所へ向かう。が、思ったよりけっこう遠かった。日も暮れてきたのにまだ20kmくらいある。北海道の自転車旅において暗くなってから走ってはいけないのは鉄則だ。ただ途中そこまでの道のりでキャンプ場もライダーハウスもなく、中途半端な場所でキャンプはしたくなかったし、最終手段として、時々存在する農場や民家に泊めていただけるか頼むという・・・ことはこの時考えなかったか。その目的の場所でキャンプしたかったこともあり僕は暗くなっても走り続けた。クマがこわいのでビートルズの曲をメドレーで大声で歌いながら走った。ヘーイジュード!!♪

そして事件は起きた。

信号のない交差点を左折しようと右を確認した時だ。むこうに黒い影がヌッと動いた。もしや出たか?そう思った瞬間その影が吠えながらこちらに近付いてきた!!しかも1匹じゃない、2匹、3匹!!!クマではなく犬であることが分かった。なに?なに?飼い犬?野犬?さらに数は増えて6~7匹の犬が僕の前を囲み、けたたましく吠えていた。この状況はかなりヤバイ。しかしその半分では不思議と冷静だった。僕は彼らの目をじっと見ながら自転車を犬と反対側に押して歩いていった。すると向こうは吠えてはいるものの距離は離れていき、やがて諦めてくれたようだった。僕は犬の見えない所までいったところで安堵のため息をもらした。助かった・・・。

しかし恐怖はまだ終わったわけではなかった。もうこの時点で展望台まで2kmあたりまできていたが、大きな道路を離れ、車もほぼ通らない狭い道は林に囲まれ、今にもさっきの犬より大きな黒い影が出てきそうな気がして本当にこわかった。展望台への最後の坂道は急勾配で、こいでは登れず自転車を押して歩いた。もうビートルズを歌う余裕はなく、ただひたすら「こわいこわいこわい・・・」とクマよけの意味もかねて大きな声でつぶやきながら、展望台へ続く坂を登った。

そしてついに展望台の駐車場にたどり着いた!!しかし暗くてキャンプ場なんて見当たらない。あったとしても人気がなくてこわい。駐車場には車が2台停っていた。他には展望台と、トイレ。さて、問題はどこで寝るかや。トイレに入った。そのトイレはまず扉があり、そこを開けると畳1条分の小さいスペースがある。そこから男子トイレと女子トイレに分かれてある。僕は思った。この小さなスペースで寝れるのでは?人もほとんどいないし、駐車場の車の人とはまだ会ってないけど、その時はうまく説明するとして。外で寝て黒い大きな影に張り倒されるのは絶対イヤだ。

僕はその小さい空間に銀マットをしいた。座った。ああ、生きてる。まあここも決して安全と言えるわけではないのですが。すると駐車場にとまっている車の人がトイレに入ってきた、オジサンだった。定年して夫婦で車で旅行しているそうだ。事情を説明すると怪訝な顔もせず「ああ、大丈夫だよ。起こして悪かったね。」と言ってくれた。もう1台も同じく定年した夫婦で優しい人達だったので助かった。

するとまた1台車が展望台に来たようだ、もうエエっちゅうに。その車から賑やかな声が聞こえて来た。声はそのままトイレに向かってくる。うう、どういう顔しておっとくか。扉が開いた。若い男と目があった。
オレ「あ!」
若い男「あ!」
なんと知り合いだった。おとつい宿で知り合った自転車好きの大学生の子だった。彼は今回大学の研究やらで北海道に遠征に来ているのだが、この展望台に仲間と車で星を見に来たそうなのである。しかしこんな所で会うとは数奇な話よ。その子にホットの缶コーヒーをおごってもらい、手持ちの食パンで晩飯。僕はトイレの入口の小部屋で朝まで熟睡した、我ながらよくこんな所で寝れる。

翌朝、トイレの横の看板を見つけてゾッとした。

北海道 (65)


拡大する。

北海道 (65)1


やっぱりか!再度この時、生きてるって思いましたよ。

ちなみに翌朝もキャンプ場があったか分からなかった。あってもクマが出て閉鎖になったのかしれない。とにかく数年前の情報を過信してはいけないなと。クマが出た時点でそれ以降閉鎖されるキャンプ場ってのは道内でもけっこうあるそうです。

夜と早朝は野生動物に遭遇する可能性が高くなるので自転車で走ったりしないようよろしくお願いします。

ちなみにこの日の夜は曇ってまったく星が見えなかった。もしかしたら神様が「危ないから外に出るな」と空を曇らせたのかもしれませんな。
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自転車に乗って、旅して、撮る。

自称「自転車カメラニスト」のアマガエルです。

旅と日常を写真と、時々文章とともに綴ります。

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