FC2ブログ

10月12日393日目「振り返ればダブルレインボウ」喜茂別―洞爺湖

北海道 (133)


喜茂別を出発した。空気はひんやりとしていて、近くの川には朝靄がかかり、その周りの林まで白く包んでいた。今日は洞爺湖を目指す。距離的にはなんら大したことはない。空は白く曇り、辺りは湿り気を帯びた秋の情景を見せていた。長イモ畑も葉が黄色に染まり、収穫の時期も近いよう。

北海道 (131)

北海道 (132)


なんなく洞爺湖に着いた。僕が最初に着いたのは湖の北側、民家やお店もポツポツとあり、とてものんびりとした所だ。キャンプ場もかねた湖沿いの公園があり、そこでスパゲティをゆがいて市販のソースとからめる。さっき買ったラムヤートという近くにある天然酵母のパン屋さんで買ったクルミとレーズンのパンを軽く焼いてスパゲティと一緒に昼食にする。パンはほどよく酸味があり、かみしめるほどに旨みがジュワーっと口の中に広がり、なんともいえない幸福感を感じる。湖の南側に泊まってみたいライダーハウスがあるので今日の移動はほぼ終わり。鹿児島で買った瀬戸物のカップに熱いコーヒーを入れてゆっくりと湖を眺める。湖は薄く霧が立ち込めていて、幻想的な景色を見せていた。

スキャン0006


そんな一人でまったりしている僕に初老の男性が話しかけてきた。僕のような旅人と話すのが好きだそう。今日ここでキャンプをするらしく、「お前もここで泊まっていかんか?ウマイもんくわしてやるぞ。」とキャンプをすすめてくれたが少し迷ってしまった。おじさんの話も面白いし、素敵なキャンプ場なのでイイだろうなとは思う。ただ頭の中で最初から今日は南側のライダーハウスに泊まる予定だったので、悩んだ結果、南へ移動することにした。おじさんに移動することをつげると、
「そうか。」
と表情を浮かべず言って、僕は少し引っかかる気持ちでキャンプ場を後にした。キャンプ場を出て走っていると小雨がパラついた。雨はすぐやんだと思うと前方の雲のすき間からまぶしい太陽が現れた。もしや、と思い僕は自転車を脇に停め、後ろを振り返った。

大きな虹がかかっていた。しかもうっすらともう一つの虹、ダブルレインボウや。

僕は決意した。やはりおじさんの所へ戻ろう、一緒にキャンプをしよう。虹が僕を呼び戻してくれた気がした。

キャンプ場へ戻った僕はおじさんに、やっぱりここでキャンプすることをつげると、
「飯食いたいから戻ってきたんだろ?」
とニヤリと笑った。ハハ、まあ確かにそれもある(笑)

北海道 (134)


テントを張って、近くの丘の上にある温泉で3日ぶりの風呂に入る。夜になって僕は米をたき、おじさんはニシンとサンマを炭火で焼く。おじさんが持ってきた焚き火台では炭が熾火となって静かに紅く燃えていた。それを眺めながら心静かに焼酎のお湯割りをチビリチビリと飲む、イイ時間だ。予定通りにいかない旅、予定をあっさり変えてしまう旅、ええやんか。それをしたくて僕は旅に出たんやから。雨が降ってきたので片付けて解散。自分のテントにもぐりこむ。テントの屋根を雨が打つ音が、心地よいBGMに聴こえていた。僕はそれを聴きながらいつのまにか眠りについていた。

翌日の朝、天気はすっきり良くなり、おじさんに挨拶して今日も自転車を走らせる。

次回、ついにあの街に戻ります。

スキャン0007
スポンサーサイト



Pagination

Trackback

Trackback URL

http://kaerusound.blog.fc2.com/tb.php/67-3de5b34e

Comment

Post Your Comment

コメント登録フォーム
公開設定

Utility

プロフィール

アマガエル♪

Author:アマガエル♪
自転車に乗って、旅して、撮る。

自称「自転車カメラニスト」のアマガエルです。

旅と日常を写真と、時々文章とともに綴ります。

◎カメラ
・OLYMPUS OM-1
・OLYMPUS E-5
・OLYMPUS E-620
・FUJIFILM NATURA NS
・VOIGTLANDER BESSA R2A
・SEAGULL 4A-107

◎自転車
・ARAYA RANDONNEUR RAN
・DAHON BOARDWALK

ご意見や、撮らせていただいた写真のデータちょうだいとかございましたらメールください。
goldhill_mino@yahoo.co.jp

カウンター