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1月7日480日目「みかんの旅」紀伊半島西側

青森ー大阪 (76)


栃尾さんの家を出て3日。新宮市から和歌山に入り、潮岬を経て僕は紀伊半島の西側を走っている。旅もいよいよ架橋に入ってきた。冬枯れの景色の中を走る。草は黄色く枯れ、乾いた青空にはいそぐように白い雲が駆けていた。紀伊半島の東側は海沿いの道でも「山」が近くに迫ってくるイメージだったが、西側は「海」を近くに感じるイメージだ。

青森ー大阪 (72)


またここが紀伊半島だと思わせてくれるのが、どこにいっても道行く人に「みかん」をもらっていたことだ。嬉しいけど、けっこうかさばったり重くなるので、水分補給でチョコチョコ食べて、減ってきたぞと思ったころに限ってまたドカッともらってしまう。うーんこれぞオートみかんシステムかな。旅に慣れてくると荷物が減っていくとどこかで聞いたが、僕はその逆で、ギター、長靴、調理道具、雑誌古本、あちこちでもらえる果物に野菜と荷物は増える一方で、必然的にペースも遅くなるのですが、その一方で他の旅人は持っていないであろう面白い荷物を積んでたりするので旅先での話のネタとしては重宝するのである。

青森ー大阪 (71)


地図を開けばあと何kmやから何日もすれば大阪に着くなとワクワクしていたのですが、いざ近づいてくると、旅が終わってしまうのが寂しく感じるようになってきた。これだけ旅して懲りるかと思いきや、全然そんなことはなく、次はどんな旅をしようかと考えだす自分がいる。旅が本当に好きな自分に気がつき、嬉しいと思う。

1月7日、僕はこの日の目的地の街を目指して走っていたが、あっさり大阪に近づき、この旅が終わってしまうことが悲しく、フと海が見たくなったので、僕は西に進路を変えて国道から海へ向かう県道へと入った。県道は小さな山を越えるためにいくつかのゆるやかなカーブを描いていた。カーブに沿って段々畑が連なり、畑にはみかんの木も多く植えられている。あたりを包んでいた夕暮れの光は優しいみかん色だった。そうか、ここは和歌山なんや。当たり前のことを今あらためてこの風景を見て感じたのだった。

山を越える際、水っぽい未完成の雪がチラチラと降っていた。僕は海まで出て少し走り、適当な場所でテントを張る。この日の最低気温はー2℃、よくこんな所で毎日寝て風邪を引かないもんだ。

翌朝、テントを片付けた僕はイスに座っていた。ちょうど後ろから日が登り始め、目の前にあった山の岩肌を朱く染め上げた。僕はウォークマンでハンバートハンバートの「旅のおわり」という曲を聴きながら、その光景を無言で眺め、この旅をしていることを心から幸せに感じていた。

青森ー大阪 (77)
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自転車に乗って、旅して、撮る。

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